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某大手ハウスメーカーで設計士として300件以上の案件に意匠設計、実設計と携わってきた高橋さん。新築、建売、マンション、アパート、リノベーションなど活動範囲は多岐に渡ります。
現在は独自で活動されており、ハウスメーカー時代の経験を活かし、お客様と話を進めつつ、銀行の手配から金額調整などオールマイティにこなす建築士さん。Interviewer:牧原
牧原:私の前職の経験は、大手ハウスメーカーでの営業マンでしたが、高橋さんの場合は、設計士として活躍されており、当時は大型案件を中心に手掛けられてきたとか。
高橋:そうですね、ハウジングセンターの展示場の設計とか、1億の案件とか色々と関わらせて頂いてきました。
牧原:現在、設計事務所を構えているのですが、独立してみてどうですか。全てを自分でやっていかなければいけないと思いますが…、ハウスメーカーにいた時と比べて違い等はありますか。
高橋:前職の時から憧れもあったし、独立している設計士さんは大変だという事はなんとなく聞いていました。自分に出来るかどうかとても不安でしたね。ハウスメーカーの時は案件があるのが前提だったからそこの違いは大きいかなって思っていました。
高橋:でも、実際やってみると、以外と大丈夫!?みたいな感じでした。笑
牧原:お客様からの紹介が多いと伺いました。確かに高橋さんの出される見積り、間取りを拝見すると非常にレベルが高い感じ。
牧原:後、高橋さんの設計、提案、また見積りの出し方などは、一般的な建築士さんとは少し違っている気がします。見積もりも契約前に全て盛り込んだ状態になっている。
高橋:そうですね。一般の方がイメージする建築士に依頼という感じでは無いかもしれません。僕の場合、細かな見積りは契約前に全て出すようにしてます。造作家具なんかの見積もりも全て入れた状態にしてます。
牧原:やはりその方が良いと思っているからなのでしょうか。
高橋:もちろんです。前職のやり方が身についている所も大きいですが。
牧原:私も高橋さんが出す見積りを何度か拝見した事がありますが、造作家具の見積りまで契約前にだすのは、ハウスメーカーさんや工務店さんもやってない気がします。
高橋:確かに少ないかもしれません。メーカーでも契約後に造作家具だったり内装のUPに関しては出しますね。本当は、そこら辺も含めて出してあげたいと、メーカー時代から思っていました。後から価格を上げるのに抵抗があったんですね。
牧原:ハウスメーカー、ローコスト系のメーカーは、契約前ってざっくり出される所が多い。そう言った意味では、あまり最初から詰めて出すような意識は業界としてないかもしれませんね。
高橋:純粋にそういった業界を変えていきたいという野望もあります。笑
牧原:それ私もあります。笑
牧原:確かに普通契約までに全部わかってた方がいいですよね。
牧原:例外としてですが、工務店さんの場合、建築途中に色々とサービスでやってくれる所もあったりして、そういう場合は、なんとなくそっちも良いな~ってお客様を通して感じる事もありますが。
高橋:そうでうすね。工務店さんの場合、そういう会社さんも多いですよね。だけどそれは見積りの細かさってあまり関係ないです。私も、多くのハウスメーカーさんのやり方、工務店さんのやり方を見てきました。打合せ内容、見積り出しのタイミング、契約前に決める仕様内容、各社違う。でも、結果を見ると細かく見積もりを出している所の方がお客様も納得して事を進めている気がします。
牧原:ハウスメーカーさんと工務店さんの違いに関して。基本的な考え方としてお伺いしたいと思います。まずは、価格帯に関してお聞きしてもいいですか。
高橋:価格に関しては、ハウスメーカーさんより工務店さんで建てる方が安く出来る場合が多いと思います。今回、ローコストメーカーさんの事は少し外して話をさせて頂きます。
牧原:価格は基本的には工務店さんの方が安くなる場合が多い。でもこれって意外と普通のお客様の認識違ったりしますか。
高橋:どうでしょうか。多いかも。そもそもそういう認識自体が無い場合が多いというか…家って価格に関する情報が一般的にあまり公開されていませんからね。
牧原:確かに、HPなどで価格は伝えれない事が多いですよね。あとキャンペーンとかの広告で安く出している所もあります。一棟限定990万円とか。でもそれって元の価格もよくわからないし。あと仕様も判りにくい。
牧原:構造体でも鉄骨、木造の違いや、同じような工法なのに会社によっては工法名が違ったり。そうすると比較もしにくい。そういうのが随所にある事も原因でしょうか。
高橋:そうですね。家一件建てるのに、すごく色々な部材が必要で、各社違いを出す為に色々と変えています。今回は難しい事は抜きにして、標準的にハウスメーカーさんで出している仕様と同等の商品として工務店さんを考えた場合の話です。
牧原:これも一般的なイメージとして、一括大量仕入れが出来る大手さんの方が、通常は安く出来ると思われているような…
高橋:確かに。仕入れに関してはそうですね。と言っても仕入れに関して僕の経験ですが、一括大量と言っても限界はあります。通常の建築会社が仕入れる値段より大体10%前後安く仕入れる事が出来るぐらい?
牧原:それぐらいの違いなんですね。もう少し大きく違ってくるかと思いましたが…
高橋:物によっては、変わらない事も結構ります…後は、安く仕入れたとしてもそれをいくらにして出すかという問題もありますね。
牧原:高橋さんの設計は、当然かもしれないですが、造作家具を含んでいる事が多い、造作家具などの個別発注は、如何でしょうか。
高橋:そうですね。個別発注に関しても同じかな。会社間の取引関係もあるので難しい所です。
牧原:価格において工務店さんの方が安くなるのは、人件費や、その他広告宣伝費、必要経費などそういった部分でしょうか。
高橋:そう思います。
牧原:まとめると価格としては、ハウスメーカーさんよりも工務店さんの方が安くなる場合が多い。では、お客様が家の見積り(価格)として注意しておきたい所はありますか。
高橋:沢山ありあすが、まずは、何処にどれぐらいのお金がかかって、その価格は適正なのかを意識して頂く事が一番。その次に、そういう意識をもって色々な会社さんを見て頂く事が良いと思います。ここら辺は実践的な経験が必要だと思います。
牧原:話題を変えて、お客様が気にしているアフターサービスはどうでしょう。アフターサービスって一言でいっても色々とあると思いますが…基本的には、ハウスメーカーさんの方が充実しているような…。
高橋:これに関してはハウスメーカーさんの方が体制は確実にしっかりしていますね。とはいっても体制の問題で、質の良し悪しは会社さん次第だと思います。
牧原:長期のアフターサービスなんかはハウスメーカーさんだから出来る話ですよね。工務店さんの場合は長期を謳う事自体が少しずれてたりしますしね。
高橋:まあこの時代ですので、大手さんなら大丈夫という事でもないですが、やっぱりアフターの体制としてはハウスメーカーさんですかね。
牧原:アフターサービスの内容はどうなんでしょうか。
高橋:内容もハウスメーカーさん悪くないと思いますよ。細かい対応と迅速さで行けば、私の経験からだと工務店さんも良いと思います。
牧原:よくアフターサービスの悩みで、連絡しても全く来ないとか、なんでもお金がかかるとか色々と聞いたりしますがそこら辺はどうでしょうか。
高橋:そういうのはごく一部の会社さんの事です。それが結構有名な会社さんだったりする場合もありますが。全体的に見たら、親身になってやってくれる会社が多いように思います。
牧原:そうですよね。アフターサービスの良し悪しは、そのお客様から紹介を頂けるかの大きなポイントになったりする事が多いと思います。それを踏まえてアフターって重要だし、どこもしっかりやってくれそうな気がしますね。
高橋:基本的にアフターは、どの建築会社さんも力を入れてたりします。気をつけないといけないのは、お客様からの紹介よりも、新規のお客様獲得をメインとしている会社さん、新築が取れればそれで良いみたいな会社さんに関してです。
牧原:大きな会社さんは、担当の営業マンとアフターサービスマン、小さな会社さんであれば、直接社長、そういったアフターに関わる人柄なんかも大切ですか。
高橋:かなり大切です。大きな会社さんの場合は、担当替えや担当者が辞めてしまう事もありますので、そこら辺も気をつけたい所です。
高橋:ハウスメーカーさんにしろ工務店さんにしろ会社の色が結構あるって事を覚えておいてもらいたいですね。
牧原:会社によって提案が偏っているという意味ですか。
高橋:特にハウスメーカーさんの場合は、僕らがみれば、その外観で、どこのメーカーさんで建てたかは一目瞭然です。また価格帯もどれぐらいなのかも分かります。それぐらいわかりやすい。これは考え方次第ですが。
牧原:確かに、あ、この家●●ハウスさんだな~これぐらいの規模感ならこれぐらいの価格?って感じありますね。ちょっと意外なのは、工務店さんに関して…工務店さんに関しても同じような事が言えるんでしょうか。
高橋:さすがに外観をみて会社名や価格観は判りませんが…ただそれぞれの会社さんの提案を見てみると、ある程度色があるのは確かです。依頼する会社さんで出来あがる感じは、結構似てくる場合が多かったりします。
牧原:それは何故? 注文住宅って基本的には自由設計だし、家族構成や住み方ってみなさん違ってるし、それぞれに叶えたい家って違うと思うんですが…
高橋:例えば、ご主人さんがどうしても書斎が欲しい場合、本人さんは具体的な書斎の広さや感じって細かい所まで解らない事が多い。
高橋:お客様はそんな感じでいいんです。後は提案する側の問題です。今までやった事がない提案とか、担当者さんが経験からつくった書斎の提案をするような事も多くある。つまり、その提案をする人のセンスと引き出しの多さによって提案が偏ってしまいます。また、構造的な問題や、金額的な問題も考えて、提案がしにくかったり。私が大手メーカーにいた時は、お金が高くなってしまうから提案を抑えた事も結構ありました。
牧原:確かに私が営業だった時、お客様から言われた事をこちらで出来る内容に変えて提案してました。本当の意味で自由設計という感じでは無かったかもしれない。
牧原:間取り提案は、その担当者次第という話ですね。担当者のセンスと引き出しの多さが重要。ハウスメーカーさんの場合、ある程度決まった規格の上での提案になり、担当者のレベルの違いと、それ以上にハウスメーカーさんの色があるという事。一方工務店さんの場合は、自由だけど、提案する人によって違いが出てくるという感じでしょうか。
高橋:そうですね。基本的にはそんな感じ…ハウスメーカーさんの場合、本当はこんな感じの提案をしてあげたいけどと考えている担当者も多いと思います。
牧原:高橋さんなんかは特に、色々な提案をしてこられたと思いますが、そういった思いだったんじゃないですか。
高橋:そうですね。家自体の価格でお客様の予算の限界まで行ってしまうことが多くあって。ホントはこうした提案もしてあげたいけど、高くなるからやめる事も多かったです。
牧原:今は如何ですか。
高橋:今は、やってあげたい工事も始めの予算で盛り込んだ上で希望予算内で押さえる努力が出来ているので、満足?しています。笑
牧原:最後に、ハウスメーカーさんと工務店さんの探し方について。メーカーさんの場合ハウジングセンターなんかに行って気に入る展示場に入れば、自然と話は進んで行くとは思います。工務店さんを見たいと考えた時はどうしたらいいのでしょうか。
高橋:難しい所ですね。やはり、まずは情報収集だと思います。ネットや雑誌で探す所から。とにかく色々と見てもらうしかない。みなさん総合展示場はいくでしょうから、その中で何社かから見積りを出してもらっても良いと思います。後は、違うタイプ会社さん。大手さん以外の会社も是非見てもらいたいですね。色がまったく違うって比較も楽しいし、知っていると、家の打ち合わせにもプラスの影響があったりするので。
牧原:とにかく色々と見てもらうのが一番という事ですね。
高橋:そうですね。もし色々と迷ったら、こういう所で一度相談を受けてもらうのも良いと思います。中立の立場での意見ってかなり貴重だと思います。
牧原:ありがとうございます。
ハウスメーカー・工務店を比べてみると価格は工務店の方が一般的に安くなる。その比較をする為にも大手さん以外でも建築会社を見る事が良いという事。アフターサービスや間取り提案の質は担当者の力量次第で、その担当者を見極める事がポイントという事。色々と実践を積み重ねていく事で知識を増やし、中立な状態で判断できるようにする事が大切な事がわかりました。
価格、間取り、仕様などで解らない事があれば一度無料相談カウンターへお越し下さい。