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工務店として活躍されているK-建物さん、実は少し変わった形態を採用している建築会社さんです。それは、多くの建築士さんと協力してプランをつくり、施工をK‐建物さんが請け負うという事。
通常の会社の場合、設計は、自社で行う事が殆ど。建築士に依頼するとしても直接お客様の前に立つわけではなく、工務店が設計士さんとやり取りする場合が殆ど。
K-建物さんに関しては、お客様との商談に必ず設計士さんが同行するという形態。建築士さんに依頼する場合の逆のパターンに近く、珍しい体制をとっている工務店さんです。
Interviewer:牧原
牧原:それではお願いします。小林社長は今年60歳…しかも小林社長が独立をされたのが、9年前という事は、50歳ぐらいで独立をされたわけです。
牧原:もともとはずっと営業畑だった小林社長、建築関係ばかりという訳では無かったと聞きました。
小林:そうですね。いろいろな営業を経験しています。今は、工務店の親父だけど。
牧原:なんで工務店を始めようと思われたのですか。
小林:私はもともと「メーカー」が好きだったということかな。独立するならその方向でと言うことで。
小林:分譲のマンションや戸建てを扱っている会社にいた事もありましたけど、不動産は「1に場所、2に物件」、販売のスピードが要求されたり、売れ残ることも多く、最後は営業力がものを言うのですね。そういう時に営業スタンスから商品開発へのアドバイスなんかもやらせていただいたり、もともと「もの造り」が好きで、その時色々住宅について勉強させていただきました。
小林:営業の時は、どうしたら商品が売れるかを考えていましたが、今考えれば、顧客ニーズの掘り起こしなんですね。今は、お客様が本当は何を望んでいるかを根掘り葉掘りヒアリングしながら、弊社の住宅造りに反映させる仕事をしているわけです。
牧原:いつも元気な小林社長ですが、今後の展開を聞かせてもらえますか?
小林:そうですね、会社を創業して9年目、おかげさまで何とかやってこれたし、社内の体制や方針もある程度安定してきました。今まで施工させていただいたお客様のフォローも増えてきましたので、更なる業績UPをどう成し遂げるか思案中です。
牧原:ここからバリバリやっていく感じですね。今でも殆ど休みがないとぼやいていらっしゃいましたが、さらに忙しくなりそうですね。
小林:今月もまだ2日しか休めていないですね。正月も2日から事務所にいるし・・。 ほとんど病気。(笑)
牧原:夜も遅いですよね。
小林:多分凝り性なんですね。訪問時の資料とかを結構考えるし、どうしたらお客様が理解できるかを考えると。当然手ぶらではね。 また、訪問時間に制限を設けていないので、呼ばれれば、夜9時打ち合わせスタートなんかもあるし。建築士さんも気持ちよくお付き合いいただけるので、先ほどの根掘り葉掘りをやっていると、気づけば2時間3時間は当たり前。午前様の帰社なんかもありますね。お客様には実は迷惑だと思うのだけど。
牧原:パワフルですね。笑
小林:いやいや、そろそろしんどいですよ。たまに時間がつくれる事もあるから、そういう時は釣りにいってゆっくり糸をたらす。なんて事もね。もっとも、お客様から呼び戻される事も多々あるけどね。 結局ゆっくり休めない。(笑)
牧原:そんな小林社長ですが、今回はやっぱり工務店が良いなと思う所を聞いていければと思っていますので、よろしくお願いいたします。
牧原:それでは始めますね。御社は、営業を社長、施工監理を監督二人でこなしていますね。そんな少人数の中、最近徐々に売り上げが上がってきているようですが、何か特別な事をされているのですか。
小林:いや、販売促進という意味ではむしろ何もできていないですよ。もともと紹介受注が多いので、時節柄たまたま重なっただけじゃないでしょうか。実際どうなんでしょうね?
牧原:決め打ちで来られる方も結構いらっしゃるとか。
小林:いや、決して決め打ちではなく、もちろん他社競合を継続して、そこへ弊社も加える方が多いのかな?しかも最後に加える。笑
小林:ただし、競合すると結構強いですよ、弊社は。受注決定率は意外に高い。もともと後だしじゃんけんは基本的に有利ですけど。そうでもなくお客様が他社さんを回っている間に成長されていて、弊社みたいな凝り性のところと話しやすくなっているせいかな?
小林:最近は事前にHPとか見ていただいていらっしゃる方がほとんどで、情報誌や、チラシからのお問合せもボチボチかな?そういう新規のお客様の契約決定率は普通じゃないのかな?基本的に紹介が多いから、確率としては結構高くなっているだけなんじゃ?
小林:弊社へいらっしゃるお客様は「凝った方」が多いのかな?多分そうなんですよ。それとも小さな工務店だからね。全てが見えるのかな?
牧原:業者さんからの紹介も多いとか。
小林:ええ、そうなんですよ。弊社の下請けさんからの紹介割合は多いですね。下請けさんのご自宅も多いかな? 彼らは弊社の現場を見ていて、現場監督の仕事ぶりをよく知っていますからね。これらのお話は特に嬉しいですね。
小林:他社をあまり知らないから、わからないけど・・。弊社としては体制がどう他社と変わっているか、ピンと来ないですね。
牧原:変わってる気がします。(笑) でもお客様にとってみれば、嬉しいですよね。色々な建築家さんの中で自分たちにあったデザインをしてくれる建築家さんを選んでくれる。なんか素敵な提案してくれそうだし、建築家ってなんかとっつきにくいイメージがあるけど、K-建物さん経由であれば、依頼もしやすいかも。
小林:そこはそうですね。「設計士さんと直接」は何となく敷居が高いかな?それと知り合うチャンスも少ないだろうし。構造設計士さんはともかく、一般の設計士さんは技術屋ではなく、実はどちらかと言うと芸術家なんですね。だから恐らく商談はへた。横で聞いていても内容が足らないような?
せっかくのアイデアを持っていてもうまく引き出す「コツ」がいるのかも。だから私がいる・・というスタンスですね。
小林:特に木造住宅は上下階をうまく乗せた上で、デザイン的に優れていれば安心も買えますからね。木造の得意な設計士さんやコンクリートの得意な設計士さんがいて、それぞれ持ち味があります。ただ造り手として、品質の確保は我々の責務なので、そこは口を出します。どういう設計でも安心や使い勝手は筋を通す。これが弊社のスタンスです。いずれにしても、ベテランの設計士さんがいいですよ。良く分かっている。
牧原:因みに、小林社長はお客様の所にも一緒にいかれますよね。建築家がお客様と話をしているのを聞いているだけ?
小林:それはあり得ません。(笑) 基本的に黙っていられない性質なので・・・。
先ほども述べましたが、設計士さんがプランニングしやすいようにできるだけ多くの情報を手にするように、横で質問の補足をしているだけですけどね。基本的にお客様はプロではないので、要望をすらすら言える人は少なく、どうしてもこの事前のヒアリング時間は大切ですね。
牧原:大変失礼致しました。(笑) そういう風にサポートして頂けるのは良いですよね。ところで、建築家さんともめたりする事もあるんじゃないですか。
小林:しょっ中かな?打ち合わせはかなり頻繁にするから、その都度ね。それもお客様の目の前で。ただ喧嘩にはなりませんけどね。お客様にはそのやり取りを聞いていただいて、ご希望の方を選択していただく方法を取っています。設計士さんは気分悪いかも?(笑) ただし、それは施工する立場として、施工上の都合や使い勝手とかね。また図面を見て、これってお客様の要望じゃないんじゃないか?とか、色々。
牧原:じゃあ小林社長さんのところに登録している設計士さんはそういう話合いも出来る人が多いという事ですか。
小林:そうですね。そういう建築士さんじゃないとお付き合出来ないなあ。皆さんベテランで、私とのやり取りも心得たものです。結局、皆さん「お客様目線でいる事ができる建築家」っていうのが基本で、私と目指しているところは同じなので、共により良き方向を。と言うことですね。
小林:一言で言えば、家を売っている会社と、家を作っている会社は違うぞ・・と。
牧原:それは具体的には?
小林:3つあるけど、一番目は何と言っても、造る側として。「後々のことを考えると決してデザインだけではないよ」と言うこと。ちなみに工務店たる弊社は、どちらかと言うと、しっかり&快適に建てたいので、本来はそちらが優先。ただし野暮な住宅より「カッコイイ」方が良いのは当たり前で、そこで弊社は外観、玄関、空間の3つの「かん」を大切にしているわけです。そこは弊社のこだわりで、設計士さんにお願いする。
小林:2番目にデザイン、お客様の理想の家をそのまま形にしてあげられる所じゃないかな。自由度が高い。「思い通りの家を建てたいなら是非弊社へ」が弊社のキャッチフレーズですが、ハウスメーカーさんはどこそこ制限があるので、そこまでは出来ないだろうし、建築士さんに単純に依頼するとしても、やっぱり彼らがメインの設計になる。それはそれでとても良いとは思うけど。
小林:どうしてもデザインはお客様には決めれない所もあると思うから、そこら辺はあくまで工務店のスタンスは崩さすに、設計士さんがお客様に如何に良いアドバイスをしてあげられえるかを手伝っている事かな?この辺は弊社の、あるいはそういう工務店の特色かな?
牧原:最後にK-建物さんとして、今後どのような家づくりをして行こう!という考えをお持ちなのかお聞かせ下さい。
小林:これからの家は「器」であり。今の木造住宅は性能が良い事もあり、それぞれの家庭の文化の変遷に伴って住宅を造り替えていければと思っています。その時に再度我々の出番ですね。 また、総じて工務店の家って「野暮」なイメージがあると思うけど、本来の工務店の良さって、どんなご要望にもこたえられることだから、むしろ工務店だから本当にかっこよくて住みやすい家を作れるはずですよね。そういう意味では、やっぱりシンプルで、外観、内観のデザインの優れた家をつくって行きたいですね。
牧原:だから専門家の設計士に図面はお願いして、カッコいい設計をしてもらうって事でしょうか。
小林:その通りですね。餅は餅屋。彼らは設計のプロだから。施工のプロの我々とタッグを組んでより良いものを提供していくということですね。
牧原:ありがとうございます。もう一つだけいいですか。御社の価格帯ってどれぐらいなんですか。
小林:恐らく一般的な工務店価格帯?「決して安くはないが、高くはないよ」と言う範囲かな?どうだろう?
弊社は初めからかなり細かい見積りを出すようにしているんですね。だから他社さんとは見積書の厚さが違う。(笑)
打合せ通りなら追加は発生しません。そういう意味では、お客様にも納得していただけます。ただお客様の要望による変更はその見積から上下しますね。
牧原:ありがとうございます。同じ仕様で同じ家なら、絶対安い。ぐらいな感じでしょうか。
小林:いやそれは言いすぎです。外注の設計士さんのプラン費用をお客様に負担いただかないので、そこだけ見れば確かにそうでしょうけど?
弊社の大工さんは注文住宅専門の方が多く、「職人さんの腕」をケチるとろくな事はないので必然的にコストはかかります。そういう意味では決して安くはないぞと。でも、工事が始まると、結構現場で吸収できるものは吸収してしまいますので。現場の状況にもよりますが、ちょっとした造作の変更なんかは費用をできるだけ発生させないようにしています。そういう意味では、割安かな?
牧原:そうなんですね。ありがとうございます。次回は工務店と設計士が上手くやってく方法、みたいなインタビューも面白いかも知れませんね。(笑)
今回のK-建物さんは、私たちRebroとの考えと少し似ているように致します。家づくりはトータルデザインが出来なければいけないという考えですが、施工はK-建物、設計は建築家にという餅は餅屋としての考えには非常に共感を抱く所です。
Rebroでは、色々な建築家と工務店をつなげるような役割もはたしていければと思っています。もし、色々と組み合わせて考えて行きたい方がいれば、一度ご相談にお越し頂ければと思います。無料相談カウンターへ