お役立ち情報:今の状況にあわせてお選び下さい。
木造の進化でもお伝えした、木造ラーメン構造。今回はそんな木造ラーメンの家にいち早く着目し、京都大学と共同研究を重ねてオリジナルの木造ラーメン構造を開発した社長にお話を聞いてみます。 Interviewer:牧原
牧原:よろしくお願いいたします。今回は、木造ラーメン構造に関して少し一般的な情報からお伺いしていきたいと思います。
服部:よろしくお願いいたします。
牧原:東日本の震災もあり、再び耐震住宅は注目されてきている状況ですし、地震の大きさもM9.0クラスの地震を想定した家づくりという考えも出てきていると思います。
服部:そうですね。実は日本は大きな地震が起こる度に耐震基準が改正されたりと、特に木造住宅の進歩と地震は関係がります。
牧原:現状の耐震基準の見直しも叫ばれていたりしますもんね。
服部:そうですね。東日本の震災の前から実は言われていた事ですが、現行の木造の耐震設計には大きな落とし穴があるのは昔から言われていました。
牧原:その落とし穴に関してご説明いただけますか。
服部:普通大きな建物を建てる時や鉄骨、3階建てなどは、柱の位置や強度、力のかかる所などを計算する構造計算を厳密にしてきます。これは耐震性を考える時、外せない項目だと思いますが、実はこの構造計算をかなり簡略化してしまっているのが、木造の二階建ての申請なのです。具体的には耐力壁の壁量を確保していれば、ある程度の大きさまでなら申請は簡易のもので大丈夫ですよ。と国が言っている所。
牧原:厳密な地震に対しての計算をしていないという事でしょうか。
服部:そうなんです。昔から言われている事ですが、本当に大丈夫と言えるのかどうか。
牧原:因みに僕が昔の住宅メーカーの時は鉄骨、木造両方やっている会社でした。
牧原:木造に関しては独自の構造計算をキチンとしていたようでしたが。
服部:大手メーカーさんは独自の構造計算のようなものをしている場合がおおいですね。というよりは大手メーカーさんは申請方法がそもそも違う事から、あまり一般的な話として参考にはできませんが…
牧原:そんな事もあり、今、この木造ラーメン構造は、色々と注目されているようですね。
服部:そうですね。僕たちにしたら当然な感覚もありますが、なにはともあれ良いことだと思います。
牧原:服部社長はこの木造ラーメン、最大のメリットってどんな所だと思いますか。
服部:そうですね。まずはスケルトン&インフィルの考えが出来るので、木造ラーメンで家を建てると家が資産として残しやすいという事ではないでしょうか。
牧原:お客様の生活の変化に合わせて、必要最低限の柱を残せば、リフォームなど強度を気にしなくて出来るという考えでしょうか。
服部:そうです。
服部:木造でも大空間を設計できたり、大きな吹き抜けを取る事が出来たり、もちろん他の工法でも出来ますが、取りやすかったりするところも大きいと思います。
牧原:では逆にデメリットと感じる部分はどのような所でしょうか。
服部:そうですね。木造住宅として考えるならやはり価格が今は一番のネックではないでしょうか。2×4工法、在来工法と比べて価格は高いというのが一般的です。そこら辺は僕らもまだまだ課題として検討していかなければいけない所だと考えています。
牧原:当然と言えば当然とも考えられますが、確かに安いに越した事は無いですね。
現在色々な木造ラーメン構造のメーカーも出てきました。そこら辺で、各社の違いはあるのでしょうか。またその違いでのメリットデメリットってあるのでしょうか。
服部:もちろん各社違う考えのもとで開発している為、お客様が感じるメリットデメリットも違います。具体的な話で一番大きく違うのは柱勝ちか梁勝ちかの違いでしょうか。
牧原:柱勝ちというのは、1階2階(3階)と通し柱を通して、その間に梁を掛けていく工法。梁勝ちというのは1階と2階の柱の間に床の大梁を通してその上に柱を乗せていく方法の事。その違いはどちらがいいというのはあるのでしょうか。
服部:そうですね。どちらが良いと言う事ではないです。柱勝ちの工法は昔ながらの工法です。梁勝ちは2×4工法の発想を取り入れている工法ですが、オーバーハングなど1階よりも2階を出す時などは、この梁勝ち工法の方がしやすかったりします。地震に対してはこの梁勝ちよりも柱勝ちの方が一般的には強いと言われています。
牧原:プランや提案によって選ぶのが最適という事ですね。価格としてはどれぐらいになるのでしょうか。
服部:そうですね。幅はありますが、やはり在来木造と鉄骨造の中間ぐらいの価格と思ってもらえれば良いのではないでしょうか。
牧原:ありがとうございます。まだまだ新しい工法であるこの木造ラーメン構造ですが、今後の課題について教えて頂けないでしょうか。
服部:因みに木造ラーメン自体は古くからあって、大きな構造物なんかでも使われています。新しいという考えは、日本の住宅においてという考えを持って頂ければと思います。
服部:そうですね、価格に関しては先ほどお伝えしていますので、それ以外で考えれば、ラーメン構造は地震に耐える工法というよりは、しなやかに揺れて地震を逃すという工法になります。これはラーメン構造全体の話ですが。そういった意味でいけば、如何に揺れを今後抑えて建てていくかというのが一つポイントになってくるのではないでしょうか。
牧原:ありがとうございます。最後に間取り、提案に関してですが、こちらは大空間を取れるというメリットがあるとの事でしたが、その他、逆に在来では出来るけどラーメンでは出来ないという事はあるのでしょうか。
服部:そうですね。大抵のプランニングは可能ですので、よっぽど無いと感じていますが、どうだろう。木造ラーメンだから出来ないという話はあまり無いかもしれませんね。これは私自身まだまだ経験が必要かもしれませんが。
牧原:ありがとうございました。
今回は最近注目されている木造ラーメン構造に関して。
実際、大手メーカーさんでも取り入れている所も出てきた、木造建築では、旬な工法となっているようです。
フランチャイズとしてもいくつかこの工法で出されている為、それぞれの性能比較などしているサイトも出てきています。
厳密な違いはあるにせよ、耐震という観点から考えると、非常に優れているようにも思います。
Rebro無料相談カウンターでは、この木造ラーメン構造でそれぞれの方法の会社さんの紹介やアドバイスもしています。
少し専門的な話になる場合も多い構造体の話ですが、長く住むことを考えれば、必要な話です。Rebro無料相談カウンターで、解り易く各工法の違いなどをお伝えする事もしていますので、詳しくお知りになりたい方は一度相談にお越し頂ければと思います。